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パン職人 矢戸俊吉さん 「思いっきりパンを作れるのがうれしい」、ブーランジェリー「ぱん吉(きち)」

 ぱん吉のご主人、矢戸俊吉(やと しゅんきち)さんにお話を聞いた。
 小麦粉はフランス産の上質な粉と北海道産の「はるゆたか」を使っている。バターや発酵バターはもちろん北海道産だが、マーガリンやショートニングは使わない。クリームも手作り。ベーコンもフルーツも選び抜いている。ブドウを発酵させて、自家製の天然酵母をつくり、じっくりと時間をかけて発酵させた天然酵母のパンも作っている。

 まるで、ぱりっと音が聞こえてきそうな、よく焼きの入ったクロワッサン。予想通り表面はカリッと香ばしく、中はふわっとバターの風味たっぷり。色よく焼かれたバゲットやドイツ系のパンも、噛めば噛むほどパン本来の味がする。やわらかいパンが多い札幌では、珍しい。
 デニッシュやコルネのカスタードやショコラクリームは、牛乳や卵、上質のチョコレートの香りと味がして、フルーツも大粒でしっかりしている。明らかに素材にこだわっているのがわかる。
 昼休みは狭い店内がお客で埋まる。

 朝3時半から夜の8時まで、毎日約40種類のパンを手がける。時間があれば新作を試作する。原価率が高いので「儲かる仕事ではありませんが」と照れながら、やはりパン作りが好きだから、と言う。

 矢戸さんは札幌生まれの札幌育ち。父親がこの場所でお寿司屋を営んでいた。自分も食に携わる職人になりたいと思っていた大学4年の時、旅行先の山梨県、清里で出会ったパン屋に感動し、そこで働きながら修行させてもらうこと4年間。その後、東京のパン屋で働き、日本パン技術研究所で勉強した後、昨年の8月に札幌で店を開いた。
 自分の店を持って、作りたいパンを思いっきり作れることが何よりうれしいそうだ。

 実は筆者も自宅で時々パンを焼く。しかし、ハード系のパンは難しい。以前フランスで暮らしていたときのバゲットやクロワッサンの味がずっと忘れられなかった。この店を見つけたとき、小躍りして喜んだものだ。我が家の娘たちも大ファンである。
 お客の半数が男性というのもこのお店の特徴だ。「ここの固めのパンが、しっかり味があって好きです」と言う男子学生。「ここの食パンうまいんだよ」とのおじいちゃん。

 地元の人はもちろん、札幌に観光に来た人にも是非食べてほしいと、矢戸さんは言う。彼が旅行先で受けたおいしい驚きを、今後は多くの人に提供することになるだろう。

ブーランジェリー ぱん吉
060-0808 札幌市北区北8条西4丁目18
TEL/FAX 011-756-6230
営業時間 9:00〜19:00
定休日 日曜、祝日

画像:ぱん吉正面
北海道大学正面玄関のすぐそばに「ぱん吉」という愛らしい名前の小さなパン屋がある。

画像:バゲット
よく焼きの入ったパン。周りはカリッとして、中はふんわり柔らかいものや、ぎゅっと詰まったものなどいろいろな味を楽しめる。

画像:釜からパンを出す
お昼前、フランス製の大きなオーブンからどんどんパンが焼き上がる。焼きたてのバゲットが空気に触れてパチパチと音がなる。
焼きたての音
動画を見るためには

画像:矢戸俊吉さんと奥さん
奥さんも清里のパン屋に志願したひとり。ご主人とはその時に出会った。一緒にお店を支えている。


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